人が動く、境界のデザイン思考

人が動く、境界のデザイン思考

私たちは自分の限界を越えることを「境界」を越えるとか、
分野間の垣根を取り払う意味で「境界」をなくすと言ったりします。
この時に感じる「境界」とは一本の線だったり、そびえ立つ壁をイメージします。けれども、日本は古来より、この「境界」を曖昧にし、「境界」という境となる世界を丁寧にデザインしてきた国です。日本建築の特徴である縁側や土間、障子や簾などは、外と内を遮断するのではなく、人の心が徐々に動き、心の赴きに従ううちに境界をひきなおすことができるようにつくられています。
グローバル化、価値の多様化が進み、世界全体の境界がぼやけてきた今、
日本人が大切にしてきた物理的かつ心理的な「境界」のデザインを考えることが、新たな価値観や世界の創造へと開かれるように思います。
undesignの会場となる現長は、オフィス街という雑踏の中にひっそりと佇む異空間。次回は、人の心が動き、身体が動く「境界」をテーマに皆さまと語らいましょう。